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不確実性の世代

2014.09.12 (Fri)
昭和元禄と呼ばれた時代。

街には「健さん」の任侠映画が流行り、全国のキャンパスではヘルメットにゲバ棒の

全学連が闊歩した。

上村一夫が「昭和の絵師」なら、学生時代を「不確実性の時代」に生きた主人公が京都・

祇園にいた。

彼が目指すのは「花街の着付師」。


その書き出しはこうだ。


 ゆるやかな風が路地の石畳に流れ群青拓馬の少し汗ばんだ頬に心地よかった。宮川町の

格子戸の連なりが眼の前にありそれは嘗ての面影を依然残したままの閉塞された暗闇を映し

出しているかのように澱んでいた。
 
 各置屋の戸口に洩れる静謐な影が急に足元を鈍らせる。中小路のおっさんが言っていた男

衆の仕事とはいったいどんなことをやるのか。置屋に侍る舞妓の着付けなんてどうみても性に

合わない。自分は単に頼まれた絵を売り歩く画商の端くれであり着付け師なぞ凡そ別世界の

分野である。妙な縁で知り合ったばっかりに今まるで磁気に惹きこまれたかのように宮川町の

路地に立っているのである。

(創作ノート・その3)


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